糖尿病の発症の機構はまだわからないことも多いのですが、3つのタイプに分けられます。

  • 糖尿病は3つのタイプに分けられる。
  • 「インスリン依存型」は子どもや若い人に急激に発症し、インスリン療法が欠かせない。
  • 「インスリン非依存型」は代表的な成人病のひとつで、日本における糖尿病の約95%はこのタイプ。
  • 「2次性糖尿病」はほかの病気から引きおこされる。

3つに分けられる糖尿病の種類

糖尿病がなぜおこるのか、発症の原因はまだ明らかにはなっていません。種々の原因が存在し、しかも単一の疾患ではないと、現在のところ考えられています。

糖尿病は、次の3種類に分類されています。

  1. 「インスリン依存型糖尿病」
  2. 「インスリン非依存型糖尿病」
  3. 「2次性糖尿病」

この3つのタイプの糖尿病のうち、日本ではほとんどが、インスリン非依存型糖尿病で、これは治療によって軽減できます。

糖尿病は、食べたものがエネルギーに変わっていく代謝過程がうまくいかない病気です。

  • 食物などがエネルギーに変わる過程を、代謝という。
  • 人体は、酵素・ホルモン・神経系が作用し合って内部環境を一定に保ち、必要に応じてエネルギーを得られるしくみになっている。
  • 代謝の流れを調節するのがホルモンの役目。
  • ホルモンの分泌が多すぎたり少なすぎたりすると、代謝に異常をきたす。
  • ブドウ糖の代謝を調節するのがインスリン。

食物をエネルギーに変える過程か代謝

人間は、生きて活動するために食物をとり、消化液によってそれらを分解し、消化管から体内にとりこみます。吸収された栄養素は体のさまざまな器
官、組織で、エネルギーとして利用されます。

この食物がエネルギーとして利用される過程が、代謝です。

物質が変化してエネルギーを出すといえば、たとえば、ガスに火をつければ燃える、燃えれば(酸化して)熱を出す、というのもそうです。しかし、こんな過激な酸化を人体の中でやられてはたまったものではありません。

体の内部環境をできるだけ一定に保ちながら、必要に応じてエネルギーを得られるよう、体の中では、酵素と、ホルモンと、神経系が微妙に作用し合
って働いています。

特に糖尿病の危険因子を持っている人は、日ごろの生活が病気の予防になる。

  • 親、きょうだいに糖尿病の人がいる場合は特に気をつける。
  • 運動不足にならないように、日常の中に運動をとり入れる。
  • 自分の生活に見合った量の食事を守る。
  • ストレスをためない生活を心がける。
  • 嗜好品はリスクファクターになるので、限度を考えて。

こんな人は特に気をつける

糖尿病の原因は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの不足、あるいはその作用の障害や不足にあります。

このインスリンの不足をもたらす原因で最も多いのは、生まれつきインスリンを作り出す膵臓の機能が弱い佐質で、こういう人は、いずれ、インスリ
ン非依存型の糖尿病にかかりやすくなります。

糖尿病が遺伝性の強い病気だといわれるのはこのためですが、病気そのものが伝わるのではなく、正しくは体質が伝わります。

親や兄弟に糖尿病の人がいる場合は、普通より糖尿病にかかりやすい体質を持っていると考えて、糖尿病を予防するための日常生活を意識的に
心がけるべきでしょう。

また、そうした遺伝的な体質を持だない人でも、中高年でストレス皮の高い什事をし、その合間にタバコを吸い、アルコールを多恨に飲んでいる人は、まずは糖尿病を念頭においたほうがよいでしょう。

さらに、自分の1日の運動量に比べて、多量なカロリーを摂取し、肥満の状態にある人は、すぐにも、生活習慣を見直し、改善を心がけましょう。

糖尿病はいろいろな病気かかかわっていて、用心しなければならない合併症があります。

  • 心臓血管の動脈硬化が招く、狭心症と心筋梗塞。
  • 脳血管の動脈硬化が招く、脳出血と脳梗塞。
  • 皮膚組織が腐る足の壊疸。
  • 免疫力が低下することによって、さまざまな感染症にかかりやすくなる。
  • 糖尿病からくる歯肉炎、歯槽膿漏もある。
  • 糖尿病患者は、白内障も合併しやすい。

血管障害をおこしやすい

糖尿病は”血管の病気”といわれるほど、さまざまな血管障害をおこしやすいものです。なかでも、心臓の血管の内側が狭くなり、酸素や栄養を送りこ
む冠動脈に硬化がおこると、「狭心症」や「心筋梗塞」の危険性が高まります。

糖尿病性神経障害を合併していたりすればなおさら、胸の痛みなどを感じない場合も多く、それだけに処置が遅れて、命とりにもなりかねません。

狭心症は50~60代の男性に多く、心筋梗塞は、若年者にもあります。

糖尿病では、心筋梗塞による死亡者が、健康な人に比べて男性で2倍、女性で3倍といわれています。定期的な心電図検査を行い、心臓の状態をチェクする習慣が大事です。

3大合併症の中でも最もよくおこるのが神経障害。早いうちから自覚症状があらわれます。

  • 糖尿病性神経障害は、主として末梢神経と自律神経に異常がおこる。
  • 主な症状は、脚のしびれと痛み。
  • 自律神経障害は、いろいろな症状で全身に。
  • 膀胱障害は、糖尿病の末期におこり、糖尿病性腎症を悪化させる。
  • 治療は、血糖コントロールと対症療法で。

どんな神経がやられるの?

人間の神経には大きく分けて、脳と脊髄からなる「中枢神経」と、中枢神経から枝分かれして、体内のすみずみまで走る「末梢神経」とがあります。

末梢神経はさらに、手足を動かしたりする働きをつかさどる「運動神経」、熱い、冷たい、痛いなごと感じる働きをつかさどる「知覚神経」、臓器や器官
の働きを調節する「自律神経」の3つに分類されます。糖尿病では、この末梢神経が、おかされるのです。

高血糖が続くと、その糖分が神経細胞の中に入ってブドウ糖の処理に困り、ソルビトールという物質を作ります。このソルビトールは、有害な物質とな
って、神経細胞や血管に障害をおこします。

ほかの合併症と違って、糖尿病の初期段階から自覚症状があらわれ、多くの患者が体験する症状です。