糖尿病とは
インスリン非依存型糖尿病とは
国民病として問題になっているインスリン非依存型は、その発症も進行も複雑で、手ごわい相手です。
- いつ発症したのかわからないうちに、ゆっくりと進み、慢性化する。
- 発症の要因は、日常の習慣的要素なので、要因を特定することはできない。
- 血糖が高くなっても、インスリンがすみやかに分泌されない。
- インスリンが分泌されてもうまく働かない。
いつ発症したのかわからないうちに…
日本の糖尿病の90~95%が、インスリン非依存型です。このタイプは血糖値に異常があっても、生活や食事療法などで血糖値は改善しやすく、また油断するとすぐ異常値に戻ってしまう特徴があります。そのため、このタイプの病気の理解度を深めるとともに、日ごろの注意の継続が大切です。
ほかの成人病でもそうですが、いつ発症したのかわからないうちに、ゆっくりと進み、慢性化します。自覚症状もないまま、確実に進行していきます。
インスリン依存型では、おおむね発症の原因が解明できるのですが、インスリン非依存型では、過食・肥満・ストレス・加齢などいくつもの原因がか
らみ合い、しかも、そのどれもが日常の習慣的な要素なので、原因を特定することが困難です。
インスリンの発見は奇跡をおこした
医学史上、インスリンの発見は衝撃的な「事件」でした。以来、多くの人が死をまぬがれています。
- 人類は古くから糖尿病に苦しめられていたが、その原因はわからなかった。
- 膵臓を摘出した大が、糖尿病になることを証明。
- 1921年、バンティングとベスト、インスリンの抽出に成功。
- このインスリンは、翌年幼い糖尿病患者の命を救った。
- インスリンは、驚異的な速さで、大量生産の態勢がとられた。
古くから知られていた糖尿病
糖尿病という病気は、たいへん古くから知られていました。紀元前1500年ころのエジプトのパピルスに、「多尿・口渇・体垂減少の病」として記録されています。
紀元前400年ころのインドでは、「蜜の尿」(メドゥーハ)と呼ばれ、糖尿病により昏睡、神経障害、感染症にかかりやすくなることなども、観察されてい
ます。
中国の漢では「消渇(しょうかつ)」という病名で呼ばれ、甘美な食物をとりすぎたためだと、漢時代の医学書にあります。「消渇では小使が多く、一斗
も飲み、一斗も尿をする」と記録されています。(漢の時代にひとつの完成をみた中国古代医学が、その後も脈々と続く「漢方」です。)
さて日本では、江戸時代に「蜜尿病」 「飲水病」といって、恐れられていました。ほかの国の例もそうですが、いずれも文化が繁栄した時代に、糖尿病が流行しています。そして、王侯貴族や豪商のかかる病気でした。
糖尿病には種類があり単純ではない
糖尿病の発症の機構はまだわからないことも多いのですが、3つのタイプに分けられます。
- 糖尿病は3つのタイプに分けられる。
- 「インスリン依存型」は子どもや若い人に急激に発症し、インスリン療法が欠かせない。
- 「インスリン非依存型」は代表的な成人病のひとつで、日本における糖尿病の約95%はこのタイプ。
- 「2次性糖尿病」はほかの病気から引きおこされる。
3つに分けられる糖尿病の種類
糖尿病がなぜおこるのか、発症の原因はまだ明らかにはなっていません。種々の原因が存在し、しかも単一の疾患ではないと、現在のところ考えられています。
糖尿病は、次の3種類に分類されています。
- 「インスリン依存型糖尿病」
- 「インスリン非依存型糖尿病」
- 「2次性糖尿病」
この3つのタイプの糖尿病のうち、日本ではほとんどが、インスリン非依存型糖尿病で、これは治療によって軽減できます。
糖尿病はインスリン不足でおこる代謝異常
糖尿病は、食べたものがエネルギーに変わっていく代謝過程がうまくいかない病気です。
- 食物などがエネルギーに変わる過程を、代謝という。
- 人体は、酵素・ホルモン・神経系が作用し合って内部環境を一定に保ち、必要に応じてエネルギーを得られるしくみになっている。
- 代謝の流れを調節するのがホルモンの役目。
- ホルモンの分泌が多すぎたり少なすぎたりすると、代謝に異常をきたす。
- ブドウ糖の代謝を調節するのがインスリン。
食物をエネルギーに変える過程か代謝
人間は、生きて活動するために食物をとり、消化液によってそれらを分解し、消化管から体内にとりこみます。吸収された栄養素は体のさまざまな器
官、組織で、エネルギーとして利用されます。
この食物がエネルギーとして利用される過程が、代謝です。
物質が変化してエネルギーを出すといえば、たとえば、ガスに火をつければ燃える、燃えれば(酸化して)熱を出す、というのもそうです。しかし、こんな過激な酸化を人体の中でやられてはたまったものではありません。
体の内部環境をできるだけ一定に保ちながら、必要に応じてエネルギーを得られるよう、体の中では、酵素と、ホルモンと、神経系が微妙に作用し合
って働いています。
膵臓のラングルハンス島の役目
ラングルハンス島とはどんな島なのか? ラングルハンス氏とはいかなる人物なのか?
- 膵臓に散在する細胞集団が、ラングルハンス島。
- フングルハンス島は、膵臓に100万個ほど存在する。
- ラングルハンス島のB細胞が、インスリンを合成し放出する。
- インスリンとは、英語のインシュラと同じ語源に由来する。
- 膵島炎になりB細胞が破壊されると、インスリン依存型糖尿病になる。
ラングルハンス氏、ラングルハンス島を発見
膵臓は、胃の後ろにある長さ15センチほどの臓器で、膵液という消化液を十二指腸に分泌しています。膵臓の英語「パンクレアス」は「すべて肉」という意味です。これは、膵臓全体がやわらかい肉のかたまりのようであるところからきています。膵臓は、十二指腸にくっついた鯉のぼりのような形を
しています。
膵臓の中に、ある特殊な細胞の集まりが散在していることを発兄したのは、ドイツのラングルハンスという医学生です。1867年の夏、ラングルハンスは当時20歳でした。どうも、糖尿病と膵臓の歴史には、若い学生が関係するようです。
「これらの細胞の機能に関しては説明できない」と、ラングルハンスは述べています。そして、「膵臓という臓器は、これまで考えられているより、はるかに複雑で重要な臓器であろう」と示唆しています。
ラングルハンスの発見から20年後、フランスのラゲッスは、この細胞集団がホルモンを分泌していると考え、これをラングルハンス島と命名しました。
ラングルハンス島は、ラングルハンス氏島とか膵島と呼ばれることもあります。


