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腎臓の機能障害をおこす糖尿病性腎症

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網膜症と並ぶ、細小血管の障害が糖尿病性腎症。塩分とタンパク質の食事制限が必要です。

  • 腎臓にある糸球体の毛細血管に障害がおこる、糖尿病性腎症。
  • 腎症の早期発見に役立つ「微量アルブミン検査」。
  • タンパク尿が増えていく、顕性腎症の時期。病状悪化が進んだネフローゼ期から末期腎症まで。
  • 尿毒症から命を守る「人工透析療法」。
  • 塩分とタンパク質の摂取制限が大切な、腎症患者の食事療法。

糖尿病性腎症ってどんな病気?

腎臓に入った血液は、枝分かれしながらしだいに細くなり、糸球体といわれる細小血管の集まりを作ります。糸球体は、その名のとおり、多くの細小
血管が集まり、糸を丸めて球にしたような器官です。

ここで、血液中のさまざまな成分をろ過して、尿のもとが作られます。さらに、ブドウ糖やタンパク質などの栄養素を尿細管から再び吸収し、利用し
ます。その残りが尿となり、外へ排泄されるわけです。

血糖値の高い状態が長く続くと、糸球体の細小血管が固くなったり、傷が生じて、尿にタンパクが出て、不要物をろ過する機能も衰えてきます。

これらを「糖尿病性腎症」といいます。

タンパク尿の出方が進行のバロメーター

腎症の初期は、これといった自覚症状がありません。唯一の特徴は、尿にタンパクが出てくるようになることです。タンパク尿とは、普通は尿に出て
くることのないタンパク質が、尿の中に排出されてしまう状態です。

人によって異なりますが、糖尿病が発病してから、タンパク尿が持続的に認められるようになるまで、およそ10~15年かかるといわれています。やは
り、血糖値の高い人ほど症状が強い傾向にあります。

ただ、本当に初期の段階では、尿にタンパクが出ていてもほんのわずかで、通常の尿検査ではわからないほどで、微量アルブミン検査でわかります。これが早期腎症です。

やがて普通の尿検査でも、タンパク尿が検出されるようになります。まず、タンパクの量が一定しない間欠性タンパク尿期があって、しだいにいつ調べ
ても、タンパク尿が認められるようになる「持続性タンパク尿期」へと移ります。2つのタンパク尿期をまとめて、「顕性腎症」ともいいます。

しかし、この状態までくると、腎症はかなり進んでいます。

早期発見を可能にした微量アルブミン検査

残念ながら、顕性腎症の段階にまで達してしまうと、もはや腎症を治して、完全にもとどおりにすることはできません。尿タンパクで陽性と出たら、す
でに顕性腎症の初期段階ですから、尿タンパク検査での発見では、遅すぎるのです。

そこで開発されたのが、微量アルブミン検査です。腎糸球体の血管が傷つくとアルブミンというタンパク質が、尿に湘れ出てくるので、これをごく少量のうちに検出します。お陰で、早期発見が可能になり、治療に役立っています。

ネフローゼ期から末期腎症へ

持続性タンパク尿期も末期になってくると、さらに大量のタンパク質が尿に排泄されるようになります。そのため、血液中のタンパク質が減り、水分が血管の外へしみ出て、”むくみ”がおきてきます。

最初のうちは夕方近くなると、脚の甲やすねなどがむくむ程度ですが、やがて、体全体にあらわれるようになってきます。このような症状を「ネフローゼ症候群」といい、症状のあらわれている期間を「ネフローゼ期」と呼びます。

ネフローゼ期に入ると、本末、尿に排出されるはずの物質である尿素窒素やクレアチニンなどの老廃物が、血液中にたまっていきます。そのうちに、
体内の老廃物が外に排出できなくなり、腎不全、尿毒症と悪化の道をたどります。この時期を「腎不全期(尿毒症期)」といいます。

尿毒症になると、血液中の老廃物によって血液が酸性に傾き、食欲不振、吐き気、貧血、強いむくみなどの症状があらわれます。血圧も高くなり、心
臓の負担も増して、肺水腫(肺の中に水がたまり、呼吸を妨げる)をおこし、ついには、心不全や昏睡状態に陥って、命を奪うこともあるのです。このように腎症が最も進んでしまった段階を「末期賢症」といいます。

命を守るための人工透析療法

腎症が腎不全にまで進んでしまうと、尿毒症をおこし、生命に危険がおよびます。この最悪の事態を防ぐためには、人工透析をはじめなければなりません。

人工透析療法とは、体内の老廃物をとり除くという重荷な機能を、腎臓に代わって人工の装置(人工腎臓)で行う治療法で、一定の期間をおいて定期
的に行う必要があります。

人工透析は、一生続けなければなりません。そのことだけでも相当な精神力を必要としますが、人工透析を続けながら、普通の日常生活を送ることは、並大抵ではありません。

現在、日本で、透析治療を受けている人は約16万人。その20~30‰は、糖尿病からきた腎不全の患者さんです。

腎症患者の食事は塩分とタンパク質を制限して

腎症の初期では、糖尿病の食事療法を行っていいのですが、顕性腎症の期間にむくみが出てきてしまったら、これを取るために、塩分を1日5g以内
に減らす必要があります。糖尿病の食事から、腎臓病食への転換期です。

腎臓病の食事療法では、タンパク質の制限も欠かせません。血液中に生じる尿素窒素やクレアチニンなど、尿毒症のもととなるタンパク質を制限することによって、病気の進行を防ぎます。

具体的には、血中クレアチニンが2mg/dlを超えたら、1日のタンパク摂取量を50gに、4mg/dlを超えたら30~40gにおさえるようにします。一般の日本人は、1日平均80gほどのタンパク質をとっていますから、半分くらいに制限することになります。

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